成年後見人報酬の付加報酬

 成年後見人の報酬については、最高裁判所が作成し各家庭裁判所が準用している「成年後見人等の報酬額のめやす」という共通の指針があって、ネットで探すと出てきます。PDF形式のファイルで、平成25年1月1日付けの東京家庭裁判所立川支部、平成25年11月付けの大阪家庭裁判所岸和田支部、平成27年4月付けの長崎家庭裁判所などがすぐに見つかります。内容的には同じようなものですね。

 基本報酬として、管理財産が1000万円以下であれば、月額2万円。1000万円から5000万円なら月額3~4万円。5000万円超なら月額5~6万円。長崎家庭裁判所の場合は少し安く記載されています。ちなみに支払いは後払い方式です。後見事務が始まってから1年強を経過した時点で、家庭裁判所の裁判官が後見人等からの申立てを受け、それまでの後見等の事務内容(財産管理,身上監護)や管理財産の規模・内容等を総合考慮して、裁量により各事案における適正妥当な金額を算定して審判を行うとされています。

 その時に出てくるのが、「付加報酬」です。付加報酬は、成年後見人の通常の事務(日常的な金銭管理や身上保護)の範囲を超えて、「特別に困難な事務」を行った場合に、基本報酬に上乗せして支払われる報酬のことです。

 報酬の支払いは、ご本人の財産から支払われることになります。月額2万円の12か月分で24万円が基本報酬になって、その上に加算されるのですから、どんなケースで付加報酬が認められるのか、ちょっと気になりますよね。

 代表的なケースとしては、不動産の売却があります。被後見人の居住用または非居住用不動産の売買契約、媒介契約の締結、明渡し手続きといったことですが、他にも残置物の整理・処分業者との調整、境界確定のための隣地住民との交渉、「居住用不動産」の場合は裁判所の許可(民法859条の3)を得るための資料作成、などがあるようです。もちろん売却金額や複雑な権利関係の整理などによって金額は変動するようですが、30万円から100万円という報酬もあるようです。

 不動産売却以外にも、頻繁な入院・転院の付き添い、施設入居のための過酷な調整、虐待事案への対応など、特別困難な身上監護。具体的には、認知症による周辺症状(BPSD)が激しく、施設から頻繁に呼び出しを受けるとか、適切な医療を受けさせるために親族の反対を押し切って法的な手続きを進めるなど。これは基本報酬の50%以内になるらしいです。また、不当利得返還請求、債務整理、交通事故の損害賠償請求、離婚訴訟などの訴訟や紛争関係、高額な生命保険金の受領、多額の税還付手続きなども認められるようです。ちなみに親族が後見人になっている場合は、認められても金額が低くなるという話もあります。

 逆に認められないのは、通常の行動範囲になります。たとえば、一般的な入退院の手続き、通常の契約更新、月に1〜2回程度の定期的な施設訪問、少額の還付金受領や簡易な届出といった簡単な事務ですね。なんにしてもお金のことは気になります。「そうだ行政書士に相談しよう!」行政書士はあなたの街の頼れるかかりつけ法律家です。気になることがあったら、お気軽にお尋ねください。