おひとりさまと身元保証

 ちょっと古い新聞記事になりますが、高齢者の身元保証などのサービスを巡るトラブルが増えているという記事をみつけました。国民生活センターによると、「利用に追加費用がかかると説明された覚えがない「サービスが提供されず解約しても全額返金されない」「遺産を事業者に遺贈する遺言書を作成された」「判断能力が不十分となった後、必要な手続きがとられなかった」といったトラブルが起きているようです。

 身寄りのない方にとっては心配なことだと思います。もっとひどい場合、詐欺被害も考えられますし、個人情報収集して不正利用を目的とするケースも考えられます。こうした被害に合わないためには、基本的に以下にあげる4つの確認に注意しておくことが大切です。

1)契約業者の確認
身元保証会社を選ぶ際は、実績があるか、口コミや評判をよく確認しましょう。自治体や地域包括支援センターに相談すれば、信頼できる業者を紹介してもらえる場合があります。

2)契約内容の確認
契約書をしっかりと読み、不明な点があれば必ず質問しましょう。家族や信頼できる第三者に契約内容を確認してもらうのも良い方法です。ちなみに当事務所でも「契約内容を見て欲しい」というご依頼がありますが、消費生活センターに相談することもできるようです。

3)利用料金の確認
一度契約してしまうと、なかなか解約できないケースがあります。不自然に高額な料金を請求する業者には注意が必要です。安易にお金を支払わないようにしましょう。契約する前に、複数の業者から見積もりを取って比較検討することも大切です。

4)公共サービスの確認
一部の自治体では、高齢者向けの保証サービスやサポート制度を提供していることがあります。そうした制度がなくても高齢者のための相談窓口がないか事前に確認してきましょう。

 身元保証とは、病院への入院や施設への入所など、何かあったときに保証人になることです。特に病院の場合、病状が悪化した場合や、手術が必要になった場合に同意書に署名してもらったり、入院手続きや退院手続きなどのサポートの役割が求められます。家族や親戚、友人に頼ることができない場合には、社会福祉協議会に相談したり、ケアマネージャーに相談することも考えておきましょう。自分で判断が難しい場合は、成年後見制度を利用することも検討できます。

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