着物の相続
書画や骨董品が相続財産になるかどうか、明らかに高額な美術工芸品であれば別ですが、価値が不明な場合は鑑定が必要になります。鑑定の評価額が相続財産額になることが多いです。新聞の記事を読んでいて、着物もそうした中に含まれてくるようです。今まで着物を意識していなかったので、認識を新たにしました。
ある試算によると、日本国内のたんすに眠る着物は約3千万点、金額にして8兆円近くあるそうです。そう考えれば、相続財産となる着物も結構あるのかもしれません。書画や骨董品と同じで作家の作品とか、希少性の高いもの、簡単に言えば、人間国宝とか伝統工芸士の作品ということですね。そうした着物をどうやって見分けるのか。
作者が作品にいれた署名を「落款」と呼ぶのですが、着物の場合、襟先(えりさき)などの目立たない場所にあるそうです。反物の産地毎に定められた基準を満たした製品に貼られる「証紙」の有無も重要だそうです。着物に仕立てた後は、端切れとして保管されているとのことです。
もっとも落款を入れない作家もいるそうで、そうなると専門家に鑑定してもらうことになります。他にもアンティーク着物といった、大正から昭和初期の着物の中にも希少性のある高額品があるようですが、なかなか素人が判断するには無理があります。
着物も書画や骨董品と同じく、きちんとその道の専門家に評価してもらうことが大切です。最近は買取業者を名乗って自宅に上がり込み、安い金額で貴金属を含めて金目のものを持ち去る「押し買い」と呼ばれる業者が門外になっています。こうした訪問購入に関する消費生活センターへの相談件数は毎年増えていて、8千件を軽く超えているそうです。
当たり前ですが、行政書士をはじめとして士業の人間が、書画や骨董品、着物などの価値に詳しいというわけではありません。しかし、業務で相続手続を扱う専門家であれば、全てとは言いませんが、ネットワークを生かしてご相談に応じることが十分可能になります。「そうだ行政書士に相談しよう!」-行政書士はあなたの街の頼れるかかりつけ法律家です。「押し買い」業者が来ても「ウチは、かかりつけの法律家を通してやっているので必要ありません」と言っていただけるような関係が理想だと思っています。どうぞお気軽にお声をかけてください。