エンバーミング

 相続手続の業務は行っていても、お亡くなりになった後からお葬式までの間のことには関与することはまれです。関与することはないにしても、最新の情報は勉強しておきたいと考えております。この「エンバーミング」については、半年前までまったく知りませんでした。これから、遺言での要望も出てくるかも出てくるかもしれませんので、備忘録をかねて整理しておきたいと思います。

 ご遺体の動脈に防腐殺菌効果のある薬液を注入して、血液を静脈から排出する処置が、「エンバーミング」になります。着色した薬液なので血色が戻ったように見えるそうです。肌の張りも出てくるようです。

 お亡くなりになる前に病院で酸素マスクをしていたりすると、耳などが紫色になったりして、そうした部分もきれいに見えるらしいです。亡くなってから火葬の予約をしても今は2週間待たされることもあります。通常はドライアイスを交換しながら待つのですが、ドライアイスも不要になり、常温であれば1~2週間保てるそうで、落ち着いて対応できることから「エンバーミング」を選択される方もいるようです。

 一般社団法人「日本遺体衛生保全協会(IFSA)」という団体の調査によると、「エンバーミング」の利用は1988年が191件で、2023年には75,890件に増えているとのことです。これは全死者の4.8%に相当するらしいです。前年比で10%ずつ増えているという話もあります。費用は一概に言えないでしょうが、私が「エンバーミング」のことを知ったのは夏前で、15~20万円程度となっていました。

 ご遺体にそうした処置を行うことに抵抗感を持たれる方もいれば、やって良かったと考える方もいると思います。ご遺族の意思がまとまることが大切です。それは相続手続と同じです。勝手に独断で行うとモメる原因となりかねません。よくよく注意していですね。

 日々、アンテナを立てて情報収集を怠らないようにしていますが、初めて聞くことも多々あります。分からないことは調べてお答えします。「真摯なる愚直」がモットーです。「そうだ、行政書士に相談しよう!」。行政書士はあなたの街の頼れるかかりつけ法律家です。どんなことでも気軽にご利用ください。