空き家の管理

 これまでも、「空き家を相続したら火災保険の名義変更」とか「特定空き家と管理不全空き家」など、記事を書いてきました。火事を起こしたら大変ということですが、その心配のあまり、やらないほうが良いことをやってしまう方がたまにいらっしゃるので、今回はその注意喚起です。

 何かというと、電気や水道を解約してしまうケースです。空き家に誰も住んでいない場合、これらの契約を止めるのが合理的に思えるかもしれません。しかし、管理の観点から見ると、これは避けたほうが良い選択です。

 電気や水道が使えない状態では、空き家の清掃や点検作業が非常に困難になります。例えば、電気がなければ照明を使えず、暗い室内で作業がしにくくなります。水道が止まっていると、掃除や屋外の植物管理なども不便です。一戸建ての空き家では特に注意が必要で、管理が不十分だと建物の劣化が早まり、結果的に修繕費用が高額になるリスクがあります。

 さらに、空き家を放置していると、台風や地震などで瓦が落ちたり、老朽化で建物の一部が崩れたりする可能性があります。このような場合、第三者に損害を与えると、賠償責任が発生することも考えられます。しかし、空き家の場合、一部の保険会社では賠償責任保険の適用が難しいことがあります。もちろん空き家を対象とした保険もあるので、検討しておくことが大切です。

 空き家の管理は手間がかかるものの、適切な対応をすることで、建物の価値を維持し、リスクを最小限に抑えることができます。具体的には、定期的に掃除や換気を行うほか、庭木の剪定や雨どいの清掃も重要です。電気や水道の契約を維持しておけば、これらの作業がスムーズに進められます。

 過去に「相続財産の名義変更」という記事を掲載しましたが、空き家の場合、ガスは止めるにしても電気・水道は名義変更を忘れないようにしたいですね。相続は相続した後のことも考えておくことが大切です。「そうだ行政書士に相談しよう!」行政書士はあなたの街の頼れるかかりつけ法律家です。どうぞお気軽にご相談ください。