相続放棄と携帯電話料金
多くのご家庭では、家族の生活費や公共料金を、ご主人の口座から引き落とす形で管理していることが一般的です。しかし、ご主人が亡くなった後に、この口座の利用が問題となるケースがあります。特に「相続放棄」を考えている場合、ご注意が必要です。
相続放棄については皆さんご存知のことだと思います。亡くなった方の財産や借金を一切引き継がない手続きです。この手続きを行うことで、借金の支払い義務を免れることができます。しかし、亡くなった方の財産を少しでも使ってしまうと、「財産を相続した」とみなされる可能性があります。そのため、相続放棄が認められなくなる場合があるのです。
例えば、妻が相続放棄をしたいと考えているにもかかわらず、亡くなった夫名義の口座から妻の携帯電話料金が引き落とされ続けているとします。このような場合、法律上「夫の財産を使った」と解釈される可能性が高くなります。結果として、相続放棄が無効となり、借金も含めて夫の財産を相続しなければならなくなる恐れがあります。
こうした問題を防ぐためには、亡くなった後すぐにその口座の利用を停止し、別の方法で支払いを行う必要があります。相続放棄を確実に行うためには、亡くなった方の財産の管理に慎重になることが大切です。小さな引き落としでも重大な影響を及ぼす可能性があるため、ご注意ください。
どのような行為が相続放棄に影響するか、相続放棄の手続きの流れ、相続放棄をした場合のメリット・デメリットなどなど、少しでも疑問や不安な点があるなら専門家に詳しい説明を受けた方がよいでしょう。相続はご自身で判断するのは難しい部分も多いため、専門家の力を借りて円滑に進めたほうがいい場合もあります。
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