遺族年金

 高齢者のご夫婦という世帯が増えているようです。お子様がいなかったり、すでに独立されていたりして、お二人だけの世帯なのですが、先々独居世帯になるということで新聞などで社会の課題として取り上げられています。私もその分類に片足入っているせいか、遺族年金についての質問を受けたりします。インターネットで調べれば詳しく説明しているサイトはたくさん出てきますが、調べるより直接質問したほうがラクですからね。

 遺族年金には、①遺族基礎年金と②遺族厚生年金の2種類があります。もちろん受給には条件があります。詳しい説明は、日本年金機構のホームページで確認するほうが間違いありません。以下のページからそれぞれの説明ページにアクセスできます。
日本年金機構「遺族年金の制度」⇒https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/index.html

 ここでは、よく勘違いされているケースだけを取り上げておきます。

 まず、①遺族基礎年金の場合で、配偶者が亡くなったらもらえると思っているケースです。①遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」が受給できる年金です。子とは「18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方」なので、高齢者で該当するケースはまずありません。

 こうしたケースで受給できる年金は寡婦年金になりますが、寡婦年金は10年以上結婚していた妻に60歳から65歳になるまで支払われるものです。死亡一時金についても国民年金の保険料を3年以上納めた方が老齢基礎年金、障害基礎年金のいずれも受けずに亡くなったという条件がありますから、高齢者の場合、なかなか受給できるとは言えません。

 次に、②遺族厚生年金の場合です。こちらは配偶者が受給できるケースがありますが、亡くなった配偶者の老齢厚生年金がそのままもらえると思っているケースです。②遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額です。用語が混乱しやすいのですが、老齢厚生年金とは国民年金部分と厚生年金部分の二階建てになっています。報酬比例部分というのは厚生年金部分の支給額に相当します。その4分の3の額というわけです。他にも支給額に関しては、計算条件があります。詳しくは前述のサイトで確認いただければと思います。

 まだ年金を受給していない方であれば、日本年金機構の「ねんきんネット」で基礎年金番号などを使って登録すれば、支給額を調べることができます。
日本年金機構「ねんきんネット」⇒https://www.nenkin.go.jp/n_net/index.html
登録が面倒な方は、厚生労働省のサイトでも概算が可能です。
厚生労働省「公的年金シミュレーター」⇒https://nenkin-shisan.mhlw.go.jp/

 年金関係は社会保険労務士の業務になりますが、相続で利用される方は少ないようです。最寄りの日本年金機構の年金事務所で相談や手続きをされるのが一般的ですね。今回はファイナンシャルプランナーの立場で書いたような内容になりました。でも、相続に関する心配事は行政書士としてお聞きすることが多いです。年金だけでなく、いろいろなお話を聞いていると、けっこう勘違いされていることがあります。行政書士会のキャッチフレーズは「行政書士は頼れる街の法律家」。私はそこにプラスして「行政書士は頼れる街のかかりつけ法律家」としています。気になることがあればご相談ください。