クーリングオフの法改正

 相続と何か関係あるの?と言われると、ほとんどの場合は関係ありません。亡くなられたとき、気が動転してバタバタしているときにたまに関係あるという程度でしょうか。もちろん、そんなときがあるかもしれませんし、日常生活の中で知っておいたほうが良い知識でもあります。

 訪問販売や電話勧誘などで購入や契約を結ぶなど、特定の取引をした場合に、一定の期間内であれば申し込みの撤回や契約解除ができる制度のことをクーリングオフといいます。

 このクーリングオフは、申し込み書、または契約書を受け取った日から、8日以内に解約の書面を発信して通知しなければなりません。ただし、マルチ商法などの一部の取引に関しては20以内となっています。郵便の場合は消印で発信日を判定します。ハガキでも問題はありませんが、特定記録郵便や内容証明郵便を使って発信記録が残るようにして、コピーを保存しておくのが一般的です。クレジットカード支払であれば、クレジットカード会社に通知しておくことも忘れないようにしておきます。

 通知書面の記載事項は、解除する旨と代金返済要求、商品引取要求の文面、契約(購入)年月日、商品(サービス)名、契約(購入)金額、販売会社と担当者、日付、住所、氏名などになります。書面に解約理由の記載は必要ありません。

 と、けっこう面倒な手間でした。過去形にしたのは、6月から法改正でメールでの通知も可能になったからです。かなりやりやすくなりましたが、代金返還などのやりとりに手間がかかるのは変わりません。購入や契約をする場合には、その場で判断しないで、相見積もりを取るなどして、よくよく検討した上で判断することをおすすめします。

 ちなみに病院や事業者に勧誘されて契約した葬式は、クーリングオフの対象外になっています。対象なのか、対象外なのか、判断に迷ったら、消費者ホットライン(局番なしの188番)に電話することができます。

 相続と関係ないクーリングオフの知識としては、4月から始まった成人年齢の引き下げも注意しておきたいですね。18~19歳の購入・契約行為に関して、これまでのように「親権者の同意がないので契約などを取り消す」といったことができなくなりました。クーリングオフの知識を家族で共有しておきましょう。

 対象外の商品やサービスとしては、通信販売、自ら購入や契約したいと自宅に招いた場合、現金取引で総額3000円未満、常用自動車、使用または消費した化粧品や健康食品、路上勧誘による飲食店や遊興施設の利用、営業や仕事用のもの、通信販売の定期購入、定期契約(サブスクリプション)などが、代表的に挙げられる例になります。

 行政書士の業務の中で、遺言相続は市民法務と呼ばれますが、いろいろな法律が皆様の生活を守っています。遺言相続だけなく、何か気になることがありましたら頼れる街の法律家、あなたの街のかかりつけ法律家、行政書士にお気軽にご連絡ください。