保険の契約者、被保険者、受取人の関係

 生命保険関係の記事をすでにいくつか掲載しているのですが、見直すと基本のことが記載されていませんでした。他のテーマもそうですが、基本を記載せずにマニアックな内容を記載する傾向があるようで、なんだか自分のための備忘録になってきました。そこで多くの方の参考になるように、今回は保険契約と課税の基本的な関係について記載したいと思います。

 死亡保険金や満期保険金は、契約者と被保険者、そして受取人が誰になっているのか、その関係で税金が変わってきます。相続税なのか、所得税なのか、それとも贈与税なのか、ファイナンシャルプランナー試験でも重要な必須項目です。

 契約者とは保険料を支払っている人になります。被保険者は保険の対象者です。受取人は言葉通り保険金を受け取る人です。その組み合わせは以下の4パターンになります。

 契約者被保険者受取人課税区分
被相続人被相続人相続人相続税
相続人A被相続人相続人A所得税
相続人B被相続人相続人A贈与税
被相続人被相続人相続人以外相続税

 相続税の最高税率は現在課税価格6億円超で55%、贈与税の場合は4500万円超(一般贈与税の場合は3000万円超)で55%です。ということで、あまり3のケースは少ないようです。また、同じ相続税でも1の場合は受取人が相続人ですから非課税の適用がありますが、4の場合は受取人が相続人ではないので非課税の適用がありません。

 以前の記事でも記載していますが、保険金は相続財産には含まれません。ただし、保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」としていた場合には、法定相続人が法定相続分に従って保険金を受け取ることになります。

 保険金を相続税納付対策に考えたり、代償分割の手当として考えたり、保険金の活用を考えている方も多くいらっしゃいます。契約の際には、契約者、被保険者、受取人の関係に注意して、受取人が誰なのか、注意して契約することが大切ですね。

 行政書士というよりもファイナンシャルプランナー的な知識とも言えますが、大切な基本情報です。どんな分野でも基本的な話であれば、行政書士に質問して大丈夫です。相続に関する疑問や悩みはアレコレ出てくるものです。頼れる街のかかりつけ法律家、気軽に行政書士を利用してください。「そうだ!行政書士に相談しよう」が行政書士会のスローガンですから。