遺贈による寄付

 ひとり暮らしの方の相談で心配されていること。体が動かなくなってきてからのこと、認知機能が低下してきてからのこと、いろいろな心配が出てきますが、亡くなった後の財産のことも気になさる方が多いようです。

 ひとり暮らしといっても様々ですが、遺産継承ができる相続人がおられても疎遠だったりして、遺産相続の対象として考えられないと思う方もいらっしゃいます。そんな時によく話に出てくるのが、遺贈による寄付になります(実際にやるかどうかは別として)。

 注意しておきたい一つ目は、遺留分侵害額請求権がある相続人がいらっしゃる場合は、その分を考慮した遺贈にしておくことです。この配慮がない場合には、遺贈つまり寄付を受ける側にとって問題を抱えることになりますから、遺贈を拒否されることが考えられます。

 二つ目は、あらかじめ寄付される相手の了承を得ておくことです。遺言書で遺贈による寄付が記載されていても、拒否される可能性がないとは言えません。特に現金以外のもの、たとえば不動産や品物だと可能性は高くなるようです。

 そうした対応をしておけば、遺贈による寄付は良いところがあります。亡くなったときに残っている財産を遺贈するので、それまでの老後資金が足りなくなるといったことがありません。現金の寄付であれば、受け取る側は少額でもありがたいものです。

 遺贈には、包括遺贈と特定遺贈2つの方式があります。包括遺贈は遺産の割合で遺贈分を指定するもので、特定遺贈は遺産の種類や金額を指定するものです。現金の場合は問題はあまりないと思いますが、不動産などがある場合には特定遺贈が一般的ではないでしょうか。また遺産には借入金などマイナス財産も含まれますから、マイナス財産がある場合には特定遺贈を選ぶことになります。

 遺言書には寄付先と寄付する財産を明確に記載しておきます。自筆証書遺言よりも問題が起きにくい公正証書遺言をおすすめします。

 相談される方で、すでに寄付先が明確にある人は少ないようです。過日、日経新聞に遺贈による寄付を受け付けている団体が掲載されていました。ご参考までに転記しておきます。
 赤い羽根共同募金(社会福祉法人 中央共同募金会)
 unicef(公益財団法人 日本ユニセフ協会)
 日本IDDMネットワーク(認定特定非営利活動法人 日本IDDMネットワーク ※糖尿病関係)
 日本赤十字社
 日本対がん協会(公益財団法人 日本対がん協会)
 peace winds JAPAN(特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン ※国際NGO)
 日本自然保護協会(公益財団法人 日本自然保護協会)
この他にもあると思います。ご自身の関心あるテーマで団体を探すと良いでしょう。

 生前の心配、亡くなった後の心配、ひとつひとつ自分の希望を考えて整理することが大切です。その上で公的な書類を作成して実現していく。そのお手伝いを私たち行政書士が行っています。頼れる街のかかりつけ法律家、お近くの行政書士にお気軽にご相談ください。