印鑑証明書が何枚必要か

 行政書士だけでなく司法書士など、士業には職務上請求書というのがあり、「委任状なし」で本人に代わって住民票や戸籍謄本を取得することができます。不正な目的で使用すれば違法な行為となりますので、取り扱いには厳重な注意が必要になります。この職務上請求書でも取得できないのが「印鑑証明書」です。

 もちろん委任状があれば「印鑑証明書」を取得できるのですが、相続人それぞれに委任状をやり取りするのは大変ですから、実務ではご本人に印鑑証明書を取得してもらっています。ちなみに印鑑登録証(印鑑カード)があれば、交付されたことにより代理権が授与されたとみなされるので、委任状は不要のようです(やったことがないので断言できないですが)。それよりも紛失したら大問題なので、いくら信用していると言われても印鑑カードはお預かりできません。

 遺産分割協議書で相続登記をする場合には、印鑑証明書が必要になります。気を付けたいのはその枚数です。けっこう忘れがちになるのが、地方に自宅以外の土地を所有している場合、自宅とは管轄法務局が違えば、そこの法務局にも相続登記が必要だということです。当たり前といえば当たり前なのですが、司法書士の先生に相続登記をお願いするときに「○枚必要ですよ」と言われて気付いたりするものです。原本還付してもらって、次の相続登記に使うのでは時間がかかりますから、申請先の数だけ用意するわけです。

 そんなこと大したことじゃないと思われるかもしれませんが、役所に何度も足を運ぶのはけっこう面倒に感じるものです。相続手続きは、必要書類を揃えるために申請書を作成し、必要であれば郵送手配して受領する、まさに手続き作業の繰り返しです。だから、自分でやった方の多くが本当に面倒だったと感想を述べられます。

 どんな書類がどれだけ必要か、どんな手配になるのか、どんなことでも専門家に相談したほうが安心できます。「そうだ、行政書士に相談しよう!」…行政書士は頼れる街の法律家です。お気軽にお電話ください。